行政の判決について…所得税更正決定処分取消請求事件(9)


◆S49. 8.27 広島地裁 昭和48(行ウ)2 所得税更正決定処分取消請求事件(9)◇

◆S49. 8.27 広島地裁 昭和48(行ウ)2 所得税更正決定処分取消請求事件(9)◇

財道具のすべてを移転したわけではなく、僅かに茶碗やフトン類を持ち運んだに過ぎず、また、原告夫婦が寝泊りに使用したのは本件建物三階の各部屋のうち長男の家族が従来使用していたのをやめて原告夫婦のために空けた一〇畳の部屋一間であるが、その部屋には同人らの寝具を収納する場所がなく、そのため寝具は部屋の片隅に置かれている状態であつたこと、そして、買受人株式会社竹中工務店に本件譲渡資産を引渡した昭和四五年一一月二八日以後は原告夫婦だけは再び本通所在の前記建物三階に起居するようになり、現在まで引続き同所に専住していることがそれぞれ認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。
以上の事実によれば、原告は本通<以下略>所在の建物を収得するについて旧措置法三五条の適用を受けていた関係上同建物に一年間居住することを要するものと考えていたとはいいながら、本件譲渡資産の引渡を前提とした売買契約を締結した後、格別同建物に居住する生活上の必要もないのに引渡しを目前に控えた時期に、同建物を居住の用に供していた長男Aから右本通所在の建物に比し、日常生活上も不便な僅か一室の提供を受け、寝具、食器類を若干運んで僅々五〇日程度寝泊りしたというに過ぎないのであつて、そのことと原告が本件建物に住民登録(転居届)をせず、同建物の引渡し後は直ちに本通所在の前記建物に移りこれに専住し続けていることからすると、原告の本件建物についての使用の態様は単に措置法三五条一項の適用を受ける目的のみをもつて本件建物を居住の用に供しているかのような外形をととのえようとしたものに外ならず、真に本件建物に居住する意思をもつて起居したものではなく、客観的にも本件建物を生活の拠点にしていたものとはいい難い。
(三) ところで措置法三五条一項は、譲渡資産に対する居住の動機、期間については別段の制限を設けていないので、居住者が同条項の適用を受ける意図の下に居住した場合であつても、また居住期間が長期間にわたる場合でなくても、そのこと自体は同条項を適用する上の障害にはならないものというべく、その点は原告主張のとおりである。しかし措置法三五条一項が居住用資産の譲渡による譲渡所得の計算上一、〇〇〇万円の特別控除を認めたのは、一つには居住



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