◆S49. 7.15 東京地裁 昭和46(行ウ)8 租税賦課処分取消請求事件(14)◇
告の当初の取得価額たる三七六万八二六五円を本件売却における取得価額とみるほかない。よつて、この点に関する原告の主張は理由がない。
2 譲渡経費
(一) 本件売却による譲渡収入に対する譲渡経費として、取りこわし費八〇万四〇〇〇円、測量費六万九〇八三円、登記費用一九万八一〇〇円及びaと太平洋観光株式会社に対する仲介料合計一〇〇万円の各支出があつたことは、当事者間に争いがない。
原告は右の他に合計三九四二万九三一五円の譲渡経費の支出があつた旨主張するので、以下この点について検討をする。
(二) 仲介料
原告本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によると、原告は、本件売却に先立ち、b等債権者に対する債務を弁済して本件土地に設定されていた抵当権等の負担を抹消するために六〇〇〇万円の融資をうける必要があつたが、小金井市市議会議員h及び元地元代議士秘書fらは、原告が富士銀行筋の芙蓉開発から右金額の融資を受けるについて尽力したほか、債権者bに対する支払関係についても原告のために交渉したこと、原告は昭和四一年六月ころ、右融資の斡旋及びbとの交渉等についての謝礼として、hに対し二〇〇万円、fに対し一五〇万円を支払つたことが認められ、右認定を動かすに足りる証拠はない。しかし、fに対する謝礼には本件売却についての尽力に対する謝礼の意味も含まれていたとの原告の主張については、これに一部符合する原告本人尋問の結果はにわかに採用し難く、他にこれを認めるに足りる適確な証拠もない(原告本人尋問の結果によつても、右の謝礼は主に原告のための融資の斡旋及びbとの交渉に対する謝礼の趣旨であつたことが窺われる。)。また、仮に、右謝礼に本件売却についての尽力に対する謝礼の意味が含まれていたにしても、そもそも前記謝礼の金額の算定根拠が明らかでなく、したがつて、右金額の中、本件売却に関する謝礼の部分を特定することもできないのであつて、右は所詮、h及びfの各搬にわたる好意的尽力に対する謝意としての贈与にすぎないと認めるほかはなく、それが本件売却にとつて必要な経費であつたとの点は、本件全証拠によつても認めることができない。
(三) 契約締結促進費
原告は、本件売却に先立ち、本件土地につき


