行政の判決について…租税賦課処分取消請求事件(13)


◆S49. 7.15 東京地裁 昭和46(行ウ)8 租税賦課処分取消請求事件(13)◇

◆S49. 7.15 東京地裁 昭和46(行ウ)8 租税賦課処分取消請求事件(13)◇

こと、原告は本件売却に先立つて、昭和四〇年中に芙蓉開発に対し本件土地を買戻特約付で代金六〇〇〇万円で売り渡し、同四一年五月一六日にこれを代金六四六五万九〇〇〇円で買い戻したうえで本件売却をしたことは、当事者間に争いがない。そして、成立に争いのない乙第二、第三号証、証人sの証言及び原告本人尋問の結果によると、原告の芙蓉開発への本件買戻特約付売渡しは、原告が同社から六〇〇〇万円を借り受け、右債務を担保するために、本件土地を、被告の主張2の(一)の(1)、(2)のとおりの買戻特約(同特約の内容については、原告において明らかに争わないので、自白したものとみなす。)付で、かつ、同土地は買戻期間中原告が継続使用する約定にて、同金額で売り渡したものであること、原告は昭和四〇年分の所得税の確定申告の際には、右譲渡による所得の申告はしなかつたことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はないから、右売渡しは、いわゆる譲渡担保に当たるものということができる。
ところで、譲渡所得に対する課税は、資産の値上りによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が売却その他の処分によつて所有者の支配を離れて他に移転することにより増加益が具体化したときに、これを捉えて課税する趣旨に出たものであるところ、いわゆる譲渡担保の場合には、所有権は形式的には他へ移転するが、それは債務の担保を目的とする限度にとどまり、当該資産に関するその余の権能は譲渡人に引き続き保有されるのであるから、その契約時において、その資産が所有者の支配を離れ増加益が確定的に具体化したものということはできず、所得税法上これをもつて資産の譲渡と解することはできない。したがつて、譲渡担保の場合には、譲渡人がいぜんとして当該資産を所有しているものと考えるほかないから、同人が担保提供の目的を達してこれを買い戻した場合にも、該買戻しをもつて資産の取得とみる余地はなく、結局、その買戻価額をもつて当該資産の譲渡所得の計算上控除すべき取得価額と解することはできない。
してみると、本件売却による譲渡所得金額の算出に当たり、右売渡しの際の特約に基づく買戻しの価額をもつて譲渡収入額から控除すべき本件土地の取得価額と解する余地はなく、原



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